薄桜鬼 土斎メイン BL小噺 声優関連徒然日記 詳細はご挨拶からどうぞ
05/19
2025
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04/23
2009
小ねたシリーズです。
予定としてはあと2作。
短いですがどうぞ。
日課である早朝鍛錬を終え、井戸水で汗を流していた際にふと現れた影に気付いた。
「山南さん、おはようございます。」
「おはようございます。こんな時間から鍛錬とはさすが3番隊組長ですね。」
「いえ・・・山南さんこそ、このような時刻から仕事ですか?」
「仕事と言う程のことはないんですが、少しばかり局長の耳に入れておきたいことがありまして。
しかし肝心の近藤局長がまだお疲れのようでしたので、
どこかで時間を潰そうかと思ったときにこちらで物音がしたので寄ってみたのですが、
残念ながら稽古はもうお終いのようですね。」
「・・・申し訳ありません。」
「斎藤君が謝るようなことはありませんよ。それより早く着替えないと風邪をひいてしまいます。」
山南さんの言も尤もで、水浴びの途中だった俺の格好は襦袢1枚を纏っただけだ。
水に濡れたまま長話をするわけにもいかない。
「では着替えてから茶を用意します。お待ちください。」
「ええ、ありがとう。」
山南さんからの返礼に応え背を向けた折にふと伸ばされた手。
反射的に躱そうとする躯をやんわりと制し、剣を持つ者としてはほっそりとした指先が首筋を捉える。
そこに普段巻かれている白布はなく、
露わになったそこを確かめるように撫でる指は優しいのに何故か抵抗する力を奪っていく。
「山南さん、なにを・・・?」
「いえ、大したことでは無いのですが少し気になることがありましてね。」
「気になること、ですか・・・?」
傾げた首の動きに結われた髪が流れ落ちる。
未だ乾かぬ髪から滴る雫が襦袢に染込んでいく。
「ええ。貴方の首に幾つか虫刺されのような痕がありましてね。
まだ春先だというのに悪い虫もいるものだ。困ったものです。」
全てを悟ったかのような微笑を浮かべる山南さんに返す言葉がない。
山南さんがいう痕、それは勿論虫のせいなどではない。
副長との情痕を露わにしていたとは迂闊としか言いようがなかった。
「それにしても、あなたの血はよほど甘いとみえる。
いつか機会があれば私もご相伴に預かりたいですね。」
そう言って首筋を撫でる手は水を浴びた後の躯にさえ薄らとした寒気を覚えさせた。
「ふふ。いやですね。そんなに怯えた顔をして・・・もちろん冗談ですから安心してください。
では私もそろそろ近藤さんの所に行きましょうかね。お茶は局長室までお願いできますか。」
「・・・わかりました。」
去り行く背に新選組の仏と呼ばれる人の恐ろしさに身を震わせた。
「山南さん、おはようございます。」
「おはようございます。こんな時間から鍛錬とはさすが3番隊組長ですね。」
「いえ・・・山南さんこそ、このような時刻から仕事ですか?」
「仕事と言う程のことはないんですが、少しばかり局長の耳に入れておきたいことがありまして。
しかし肝心の近藤局長がまだお疲れのようでしたので、
どこかで時間を潰そうかと思ったときにこちらで物音がしたので寄ってみたのですが、
残念ながら稽古はもうお終いのようですね。」
「・・・申し訳ありません。」
「斎藤君が謝るようなことはありませんよ。それより早く着替えないと風邪をひいてしまいます。」
山南さんの言も尤もで、水浴びの途中だった俺の格好は襦袢1枚を纏っただけだ。
水に濡れたまま長話をするわけにもいかない。
「では着替えてから茶を用意します。お待ちください。」
「ええ、ありがとう。」
山南さんからの返礼に応え背を向けた折にふと伸ばされた手。
反射的に躱そうとする躯をやんわりと制し、剣を持つ者としてはほっそりとした指先が首筋を捉える。
そこに普段巻かれている白布はなく、
露わになったそこを確かめるように撫でる指は優しいのに何故か抵抗する力を奪っていく。
「山南さん、なにを・・・?」
「いえ、大したことでは無いのですが少し気になることがありましてね。」
「気になること、ですか・・・?」
傾げた首の動きに結われた髪が流れ落ちる。
未だ乾かぬ髪から滴る雫が襦袢に染込んでいく。
「ええ。貴方の首に幾つか虫刺されのような痕がありましてね。
まだ春先だというのに悪い虫もいるものだ。困ったものです。」
全てを悟ったかのような微笑を浮かべる山南さんに返す言葉がない。
山南さんがいう痕、それは勿論虫のせいなどではない。
副長との情痕を露わにしていたとは迂闊としか言いようがなかった。
「それにしても、あなたの血はよほど甘いとみえる。
いつか機会があれば私もご相伴に預かりたいですね。」
そう言って首筋を撫でる手は水を浴びた後の躯にさえ薄らとした寒気を覚えさせた。
「ふふ。いやですね。そんなに怯えた顔をして・・・もちろん冗談ですから安心してください。
では私もそろそろ近藤さんの所に行きましょうかね。お茶は局長室までお願いできますか。」
「・・・わかりました。」
去り行く背に新選組の仏と呼ばれる人の恐ろしさに身を震わせた。
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