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薄桜鬼 土斎メイン BL小噺 声優関連徒然日記 詳細はご挨拶からどうぞ
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11/03

2009

遊園地ネタで書いてみた。
はじめさんが乙女化したのは公式由来です。
今回は(も?)あまいよ!

まさに遠足日和といえる青空は天高く秋晴れに澄み渡っている。
だが、そんな事は喫煙スペースを陣取る俺には関係ない。
本音をいえば遠足など雨でも降って潰れてしまえば良かったのだ。
問題児共を引率するよりは教壇に立っている方が余程楽だ。
そもそも遊園地など柄じゃない。
・・・それはあいつも同じだと思ってたんだが。
視線の先で斎藤は子供達に囲まれたマスコットキャラクターを穴が開くほどに見つめている。
普段大人びた奴は時折、年相応というより更に子供らしい面を垣間見せる。
これだから目が離せなくて困る。
まして本人に自覚が無いのだから事は尚厄介だが仕方ねぇ。
紫煙と共に行き場無い想いを吐いた。



「ちゃんと楽しんでるか?」
ふいに背後から掛けられた声にびくり、と肩が跳ね上がる。
「せんせい・・・?」
いったい何時から居たのだろう。
俺は周りすら判らなくなる程、彼らに魅入っていたのか・・・?
「見てるだけじゃつまんねぇだろ。写真撮ってやろうか?」
「・・・・・・いえ。結構です。」
「遠慮なんかすることねぇだろ。お前だってまだ餓鬼なんだからこんな所でくらい素直に楽しめよ。」
「・・・っ!」
わかってる。
どれだけ背伸びしてみても先生にとってはまだまだ子供で、生徒の一人でしかないなんてこと。
そんな事は誰に言われるでもなく、自分が一番良く判っていることだ。
なのに、本人の口から改めてそう言われると、もう・・・だめだ・・・・・・
もはや俯き耐えることしかできない俺の頭上から呆れたような溜息が落とされる。
「お前は聞き分けは良い癖にいっつも肝心なとこ聴いてねぇよな。捻くれちまいやがって。」
「え?」
「だから、意地張らずにたまには甘えてくれって言ってんだ。
 そりゃぁ、今は一応遠足中だから滅多な事はできねぇが、写真くらいならいいだろ?」
「ぁ・・・」
ばかみたいだ。
先生は何時だって想っていてくれるのに、一人で勝手に不安になって・・・
「先生、」
「いいよ。つか、早く捕まえてこねぇとアイツ等どっか行っちまうぞ。」
「いいんです。写真は苦手で・・・どんな顔をすればいいのか判らなくて・・・」
「だからって見てるだけで満足ってことはないだろ。
 俺は欲しいものは全部独り占めしなきゃ気が済まねぇ。
 お前は違うのか?」
熱を帯びた挑発的な視線で射抜かれれば、俺の意思など簡単に蕩けてしまう。
「俺も、です。俺も土方先生が全部欲しい。」
「漸く素直になったな。まぁ、先生っていうのは余計だがお前にしちゃ上等だ。褒美をやらねぇとな。」
そう言って先生が取り出したのはテーマパークの人気キャラクター青い宇宙動物のぬいぐるみストラップ。
先生、どうして俺が好きなのが判ったんだろう。
携帯に括りつけながら、不思議に思えば先生は問うより先に答えをくれた。
「お前の好意は判り易いんだよ。それでも俺は欲張りだから言葉にしてほしい。それに・・・」
「それに?」
急に声を潜めるのに自然と顔を寄せれば、先生は俺の手から携帯を奪いそのままパシャリ。
画面を確認し得意気に見せつけるそこには、寄り添う二人の後ろにランドマークの城が計算されたように写っている。
「良い写真が撮れて良かったな。」
自分の携帯を弄りながら秋晴れより尚、爽やかに言い放たれては文句の吐けようもない。
敵わないと思い知らされることすらこんなにも幸せなんて・・・
「あ、今度二人で来る時には一番でっかいぬいぐるみ買ってやるから楽しみにしとけよ。」
「・・・それは遠慮しておきます。」
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