薄桜鬼 土斎メイン BL小噺 声優関連徒然日記 詳細はご挨拶からどうぞ
05/19
2025
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10/19
2009
ハロウィンってことで素直にSSL。
冗長かなぁ・・・。楽しくなってつい長々と書いてしまう・・・。
副長が正統派ヴァンパイアならはじめさんは工口きゃわゆいサキュバスちゃんだ。
お互いに需要と供給。
こうゆうの考えてる時って改めてしみじみと絵師さんを尊敬しちゃう。
ハロウィンコスな2人が見たいよー。
冗長かなぁ・・・。楽しくなってつい長々と書いてしまう・・・。
副長が正統派ヴァンパイアならはじめさんは工口きゃわゆいサキュバスちゃんだ。
お互いに需要と供給。
こうゆうの考えてる時って改めてしみじみと絵師さんを尊敬しちゃう。
ハロウィンコスな2人が見たいよー。
『Trick or Treat?』
開口一番ハモられた。
黒猫の耳をつけた沖田先輩と蝙蝠を模した悪魔の羽をつけた薫。
決して仲が良い組み合わせではないのに、こんな時ばかりやけに息が合う。
そしてそれはその周囲に居る者にとって、まず間違いなく騒動の種となるのだ。
溜息の一つも吐きたくなる。幸せが溜息で逃げるというなら俺はこの二人によって今までどれ程の幸せを失くしてしまったのだろう、と朝から柄にも無くブルーになってしまうのも無理からぬ事だろう。
しかし、今朝の彼らはそんな暇すら与えるつもりはないらしい。
「せんぱいお菓子はー?」
「持ってないなら悪戯しちゃうよ?」
満面の笑みを湛えて迫り来る薫と沖田先輩。
どうせ俺が菓子など持っている筈がないと踏んでいるのだろうが・・・あまいな。
ポケットを叩いてビスケットという訳にはいかないが、鞄から望みの品を取り出した。
可愛らしくラッピングされた包みを手渡せば俺の予想通りに予想外といった顔をしてみせる。
様を見ろ、だ。
「どうした。菓子が欲しかったんだろう。」
「えー・・・と・・・、お菓子が欲しいっていうか、ねぇ・・・?」
「誰に入れ知恵されたの?一君。」
問いの形を成しながら既に答は出ているようで、玩具を取られた怒りをぶつけに行く気だ。
だが生憎、今回俺に知恵ならぬ菓子を授けてくれたのはきっとお前が考えている人ではないと思うぞ。
「せんぱい、これってもしかして手作り?」
既にショックから立ち直ったようにリボンを解いて頬張るのはジェリービーンズ。
そんな物を手作りすると思うのか?
しかし、そんな期待を篭めた瞳で見られたら否定もできず・・・俺も薫には大概あまい。
精々、風紀委員としてそのコスプレ染みた格好をやめろと小言するに留まる。
大人しく羽を外す薫を横目に不満を隠さない沖田先輩。
その猫耳を力任せに引っぺがせば、がりり、と音を立てて飴玉は砕かれた。
「馬鹿ばっかりだな。」
朝の沖田・薫組に始まり今日一連の出来事を報告後の先生の感想。
かぼちゃプリンを口へと運ぶその面は心底呆れているが、それも止むを得ない。
ハロウィン攻勢は留まる事を知らぬように生徒は勿論、教師陣にまで及んでいたのだ。
不幸中の幸いとしては最後に会ったのが永倉先生だということ。
永倉先生は鞄に残っていた菓子を軒並み食べ尽くしてしまうから。
もし、最後に出会ったのが山南先生や伊東先生だったら・・・
その時に渡す菓子がなかったら・・・
想像するだに恐ろしい。いや、想像すらしたくない。
気分を変えるためにパンプキンパイを一口。
かぼちゃプリンとパンプキンパイは今回の戦利品。
雪村と千姫の二人から貰った品は手作りらしい。
返礼として渡した俺の菓子は用意周到な姉に命じられるままに持参した物で、それすら手作りではない。
今度、改めて礼をした方が良いだろうか。
パイを咀嚼しながらつらつらと考える。かぼちゃの自然な甘みが美味い。
甘味が得手ではない俺にはこれくらいの甘さが丁度良い。
そしてそんな俺を慮ってより甘いプリンを自然に引き受けてくれる、そんな優しい先生が好きだ。
先生はいまだに不機嫌そうな面でプリンを口にしているが、それも俺のことを思って怒ってくれているのだと思うと胸に湧く想いは愛しさをおいて無い。
この気持ちをどうにかして伝えたくとも面と向かって口にするには気恥ずかしくて・・・
今の自分に言えるのはここまでが限界だ。
「先生、ありがとうございます。」
「?なにがだ?」
「いろいろ。・・・でも、強いて挙げれば怒ってくれたことです。」
「そんなの改めて礼なんか言われるようなことじゃねぇだろ。」
腑に落ちないといった面持ちながら土方先生は苦笑して言った。
「俺が怒ったのは、ハロウィンってのは餓鬼が大人から菓子を貰うための祭りだろうが。
それを教師が生徒からぱくってんじゃねぇってことだ。」
・・・違う。先生のハロウィン観念は本来のそれとはまるで違う。
でも、その理屈なら先生は生徒に渡すための菓子を用意しているということだろうか。
別に菓子が欲しい訳ではない。
でも、土方先生の呉れる物なら何でも欲しい。
「ください。」
俺の言葉に先生は言葉なく只、目を丸くした。流石に言葉が足りなかったか。
「先生の用意した菓子が食べたいです。俺にください。」
言い直せば納得したような、それでいてどこか物足りなさそうな様子。
・・・俺の言い方に何か問題があっただろうか。
何処が悪いのか判らず、じっと先生を見詰れば居心地悪そうな舌打ちと共に、頭をくしゃりと撫でられた。
「そんな顔するな。別にお前が悪い訳じゃねぇよ。・・・だが、菓子が欲しいってんならハロウィンなんだ。
どうすればいいかわかるだろ?」
そう言って先生はひどく意地の悪い艶笑を浮かべて、親指で誘うようにつぅっと唇を撫でた。
"Trick or Treat"
誘われるがままに洩れた声音は小さくか細いものだった。
それでも先生の耳に届くには充分だったようで、肩を震わせ笑う姿に先程までの雰囲気はない。
まるで悪戯が成功した子供のようで・・・もしかして騙されたのか?
「先生・・・・・・。」
「悪ぃな。菓子は持ってねぇんだ。だからかわりに・・・」
「お前が悪戯してくれよ。」
囁く声は蕩けるようにあまかった。
開口一番ハモられた。
黒猫の耳をつけた沖田先輩と蝙蝠を模した悪魔の羽をつけた薫。
決して仲が良い組み合わせではないのに、こんな時ばかりやけに息が合う。
そしてそれはその周囲に居る者にとって、まず間違いなく騒動の種となるのだ。
溜息の一つも吐きたくなる。幸せが溜息で逃げるというなら俺はこの二人によって今までどれ程の幸せを失くしてしまったのだろう、と朝から柄にも無くブルーになってしまうのも無理からぬ事だろう。
しかし、今朝の彼らはそんな暇すら与えるつもりはないらしい。
「せんぱいお菓子はー?」
「持ってないなら悪戯しちゃうよ?」
満面の笑みを湛えて迫り来る薫と沖田先輩。
どうせ俺が菓子など持っている筈がないと踏んでいるのだろうが・・・あまいな。
ポケットを叩いてビスケットという訳にはいかないが、鞄から望みの品を取り出した。
可愛らしくラッピングされた包みを手渡せば俺の予想通りに予想外といった顔をしてみせる。
様を見ろ、だ。
「どうした。菓子が欲しかったんだろう。」
「えー・・・と・・・、お菓子が欲しいっていうか、ねぇ・・・?」
「誰に入れ知恵されたの?一君。」
問いの形を成しながら既に答は出ているようで、玩具を取られた怒りをぶつけに行く気だ。
だが生憎、今回俺に知恵ならぬ菓子を授けてくれたのはきっとお前が考えている人ではないと思うぞ。
「せんぱい、これってもしかして手作り?」
既にショックから立ち直ったようにリボンを解いて頬張るのはジェリービーンズ。
そんな物を手作りすると思うのか?
しかし、そんな期待を篭めた瞳で見られたら否定もできず・・・俺も薫には大概あまい。
精々、風紀委員としてそのコスプレ染みた格好をやめろと小言するに留まる。
大人しく羽を外す薫を横目に不満を隠さない沖田先輩。
その猫耳を力任せに引っぺがせば、がりり、と音を立てて飴玉は砕かれた。
「馬鹿ばっかりだな。」
朝の沖田・薫組に始まり今日一連の出来事を報告後の先生の感想。
かぼちゃプリンを口へと運ぶその面は心底呆れているが、それも止むを得ない。
ハロウィン攻勢は留まる事を知らぬように生徒は勿論、教師陣にまで及んでいたのだ。
不幸中の幸いとしては最後に会ったのが永倉先生だということ。
永倉先生は鞄に残っていた菓子を軒並み食べ尽くしてしまうから。
もし、最後に出会ったのが山南先生や伊東先生だったら・・・
その時に渡す菓子がなかったら・・・
想像するだに恐ろしい。いや、想像すらしたくない。
気分を変えるためにパンプキンパイを一口。
かぼちゃプリンとパンプキンパイは今回の戦利品。
雪村と千姫の二人から貰った品は手作りらしい。
返礼として渡した俺の菓子は用意周到な姉に命じられるままに持参した物で、それすら手作りではない。
今度、改めて礼をした方が良いだろうか。
パイを咀嚼しながらつらつらと考える。かぼちゃの自然な甘みが美味い。
甘味が得手ではない俺にはこれくらいの甘さが丁度良い。
そしてそんな俺を慮ってより甘いプリンを自然に引き受けてくれる、そんな優しい先生が好きだ。
先生はいまだに不機嫌そうな面でプリンを口にしているが、それも俺のことを思って怒ってくれているのだと思うと胸に湧く想いは愛しさをおいて無い。
この気持ちをどうにかして伝えたくとも面と向かって口にするには気恥ずかしくて・・・
今の自分に言えるのはここまでが限界だ。
「先生、ありがとうございます。」
「?なにがだ?」
「いろいろ。・・・でも、強いて挙げれば怒ってくれたことです。」
「そんなの改めて礼なんか言われるようなことじゃねぇだろ。」
腑に落ちないといった面持ちながら土方先生は苦笑して言った。
「俺が怒ったのは、ハロウィンってのは餓鬼が大人から菓子を貰うための祭りだろうが。
それを教師が生徒からぱくってんじゃねぇってことだ。」
・・・違う。先生のハロウィン観念は本来のそれとはまるで違う。
でも、その理屈なら先生は生徒に渡すための菓子を用意しているということだろうか。
別に菓子が欲しい訳ではない。
でも、土方先生の呉れる物なら何でも欲しい。
「ください。」
俺の言葉に先生は言葉なく只、目を丸くした。流石に言葉が足りなかったか。
「先生の用意した菓子が食べたいです。俺にください。」
言い直せば納得したような、それでいてどこか物足りなさそうな様子。
・・・俺の言い方に何か問題があっただろうか。
何処が悪いのか判らず、じっと先生を見詰れば居心地悪そうな舌打ちと共に、頭をくしゃりと撫でられた。
「そんな顔するな。別にお前が悪い訳じゃねぇよ。・・・だが、菓子が欲しいってんならハロウィンなんだ。
どうすればいいかわかるだろ?」
そう言って先生はひどく意地の悪い艶笑を浮かべて、親指で誘うようにつぅっと唇を撫でた。
"Trick or Treat"
誘われるがままに洩れた声音は小さくか細いものだった。
それでも先生の耳に届くには充分だったようで、肩を震わせ笑う姿に先程までの雰囲気はない。
まるで悪戯が成功した子供のようで・・・もしかして騙されたのか?
「先生・・・・・・。」
「悪ぃな。菓子は持ってねぇんだ。だからかわりに・・・」
「お前が悪戯してくれよ。」
囁く声は蕩けるようにあまかった。
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