忍者ブログ
薄桜鬼 土斎メイン BL小噺 声優関連徒然日記 詳細はご挨拶からどうぞ
[20] [19] [18] [15] [16] [13] [14] [11] [5] [9] [8

05/19

2025

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

時期的にお酒の話。
土方さんは下戸。斎藤さんは蟒蛇ということは公式ですね。


年の瀬も差し迫った本日、新選組内では無礼講と言う名の大宴会が行われていた。
局長の近藤は下戸を理由に早々に辞してしまったが、同じく下戸の土方は副長の立場として
途中で席を外す訳にもいかず、ちびちびと杯を舐めながら人垣に囲まれた男を窺う。
もう随分な量を呑んだ筈なのに、その姿勢にも衣にも然したる乱れはない。
きちりと膝をあわせて端座し、注がれた酒を飲み干す。
常と変わらぬように見えるが、組下の者に慕われるのはやはり嬉しいのか、
幾分和らいだ表情を浮かべているのを見てぐっと眉を寄せれば、
折悪く酌をしにきた隊士が顔を引き攣らせて固まった。
何でもない、と首を振り少し酔ったと伝えれば、そそくさと立ち去る隊士の行き先は先程の視線の先。
今の己では軽々しく腕を伸ばすこともできぬと苦々しい想いを呑めぬ酒で呑み下そうとも、
身体は素直に受付けぬ。咳き込む土方に視線が寄せられる中、
絡まる視線に言葉にならぬ誘いを受け、酒とは比ぶべくもない熱が湧く。
視線を外せぬ土方にひっそりと艶笑を浮かべた斎藤が周りの隊士に声を掛け、座を辞した。

冷えた廊下を忍ぶように歩く。自室に戻るのに何故このような想いに駆られるのか、
と思ったところで急いた気持ちを圧し留めることはできない。
斎藤が中座した後酒好きな幹部たちも1人潰れ、2人潰れ
そろそろお開きにしようかという頃にはすっかり月が傾いている。
やけに長く感じた部屋までようやく辿り着き、襖に手を掛け一息吐けば、
中から気配を察した斎藤がからりと引き開けた。
「遅かったですね。」
よほど待ち草臥れたのか自分から胸に飛び込んでくる。
宴席では胸焼けするような酒の匂いも、斎藤から立ち昇るそれはどこか甘さを含んでいるようだ。
「今宵は無礼講ですよね・・・?」
艶めいた響きを含んだ囁きと共に、首に縋る腕に力を込めて頬を擦り寄せる。
男に頬ずりなどして何が楽しいものか、ひどく上機嫌だ。
酒精を纏った息がかかり、顔を顰めたところで酔っ払いがその程度のことに気をとめることもない。
「酔っ払い。」
こつり、と額を合わせて止めさせれば、瞳には不満の色が浮かぶ。
「よってない。」
舌足らずな口調で酔っ払いの常套句を言いながら、潤んだ瞳で睨みあげてくる。
そんな態で男相手に絡んだらいつか襲われるぞ、と忠告してやりたい。
まあ、いつかといわずこれからすぐにも腕の中で乱れる姿を思い描けば自然と緩む頬を抓られた。
「何考えてるんですか。」
少しばかり気を逸らしたのが癇に障ったらしく拗ねた様をみせるのがいじらしい。
かといって、これ以上機嫌を損ねぬように頬を寄せてあやせば、
先程のことは忘れたように童扱いするな、と咎められる。
ならば童には出来ぬことをしてやろう、と北叟笑んでやる。
「いやらしい。」
非難の声をあげながらもくすくすと笑み零し、
大人しく身を預ける痩身を組敷けば強請るように腕が廻される。
吐息さえ逃さぬよう深く繋ぎ、酒精に染まった舌を味わう。
苦しげに身を捩るのに一度は離すが、銀糸が途切れる間も惜しく再び合わせる。

恋しいのは互いに同じ。
互いに溺れ、互いに酔う。
醒める兆しのない熱を胸に抱きゆるりと瞳を伏せた。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< おめでた記念■ HOME ■ ガルスタ購入 >>



1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
● 絶賛応援中 ●
“Dies irae~Acta est Fabula~応援中!
*love×love×love*
P3同盟 -無双オロチに登場する三成+曹丕を主張する同盟- デューク×ユーリ同盟 ああっ心の中の聖騎士さまっ
● 元気の源 ●
拍手です
● リンク ●
● メールフォーム ●
● プロフィール ●
HN:
夏月
性別:
女性
● ブログ内検索 ●
Designed by TKTK
PHOTO by Sweety
忍者ブログ [PR]